英語ができるだけではダメ!

皆さんこんにちは!

今日は、「英語ができるだけではダメ!」について投稿する。

最近、大手企業の人事担当の方や人材紹介会社のコンサルタントと話す機会があった。いくつかの話題の中で、こんな話題があった。

新卒採用や中途採用で、英語を使いたいといって応募してくる新卒学生、帰国子女、ATC(Adult Third Culture Kids, 第3文化の子ども:発達段階のかなりの年数を良心の属する文化圏外で過ごした子ども)や転職者がいる。英語力は、グローバル社会での共通言語として大変重要である。

TOEICの点数も高得点である。特に、帰国子女やATCKは、900点台は当たり前である。自分は英語ができるので国際営業部門や外資系企業に入って仕事ができると思い込んでいる場合が多数ということを先の人達は、口をそろえて話していた。

日系企業の採用を考えると、学卒の総合職採用で将来の伸び代に期待するところが多いのであるが、英語ができるという点では、企業もグローバル化の波の中で必要な人材と思い採用する。しかし、採用したものの「英語ができる」=「仕事ができる」ことだと勘違いしていて、「自分の好きなことをやりたい」といって、日本の学卒新入社員の場合、ほとんどやりたい仕事など任せてもらえないことが多いのであるが、簡単な仕事、雑務などにも身が入らず、仕事ができないという評価になってしまう。

下図を見ていただきたい。この四象限の図で採用したい順に挙げよという設問があったなら、どの順番になるかと言うことである。これは、先の人事担当者、人材紹介会社のコンサルタントの実感とも一致している。

下記の順番になります。

1.英語ができて、仕事もできる人

2.英語ができず、仕事はできる人

3.英語ができず仕事もできない人

4.英語ができて、仕事ができない人

これは、前述したように、「英語ができる」=「仕事ができる」とことだと勘違いしていて最も使い物にならないからという理由である。学卒の場合であれば、「何もできない」だから「何でも吸収してやろう」という人を採用した方が、育成し甲斐があるということである。

帰国子女やATCKの場合を考えると、欧米の大学や大学院(MBA)などをきちんと卒業して入れば、比較的実務的なものも学んできているが、頭でっかちになっていて、現場を見る、自ら汗を流す姿勢が多くの場合ないということを言っていた。

また、親の都合によって海外で幼少期を過ごした帰国子女やATCKの外国語能力、例えば流暢な英語でのコミュニケーションの能力を評価されて採用されにも関わらず、その英語力は幼稚で、ビジネスには相応しくなく採用側をがっかりさせることになるし、彼や彼女達も壁にぶつかる。

特に欧米の外資系企業では、なおさらである。欧米の外資系企業では自分の専門分野、例えば、経理・財務なのか、営業なのか、マーケティングなのか、人事(採用、教育、etc.)なのかなど専門的な話しや文章でのコミュニケーションスキルや基礎的・応用的なビジネススキルが要求されるからである。

私自身、ある欧州系企業日本法人のCFO兼管理本部長をしていたときに、二人の女性社員の間で頻繁にトラブルがあった。英語力や仕事力を巡ってのトラブルです。一人の女性社員は、帰国子女の30代前半の女性社員で英語は流暢で、administrative assistant(管理スタッフ、事務補助)の職にあったが、仕事が今一つであった。もう一方の女性社員は、50代前半の経理社員であった。英語力は、全くだめであたが、経理職としては、その企業で長年の経験があり、しっかりと仕事をしていた。

当時の日本法人の社長(スイス人)と何度もこの二人の調停をしたが改善せず、どちらか一人を辞めさせることになった。折しも、本社から日本法人の人員の見直しの指示が有り、社員一人を退職させなければならなかった。

社長とじっくり検討し、30代前半の女性社員を辞めさせることに決定して、退職させた。理由は、英語ができてもビジネスが分かっていない、チームワークを乱すなどいくつかあった。

今後益々、単に英語がしゃべれるだけ、できるだけでの人は、珍しくなくなる。また、IT技術やAI技術の進展で、自動通訳・翻訳の機器やツールがビジネス現場にも実用性高く入ってきている。

ビジネスパーソンは、しっかりとした柱(高度な経理財務経験、営業力、マーケティング力、人事力など)をいくつか持ちながら、外国能力(グローバル社会での共通言語である英語力)を磨いていく必要がある。

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投稿者プロフィール

市村 修一
市村 修一
【略 歴】
茨城県生まれ。
明治大学政治経済学部卒業。日米欧の企業、主に外資系企業でCFO、代表取締役社長を経験し、経営全般、経営戦略策定、人事、組織開発に深く関わる。その経験を活かし、激動の時代に卓越した人財の育成、組織開発の必要性が急務と痛感し独立。「挑戦・創造・変革」をキーワードに、日本企業、外資系企業と、幅広く人財・組織開発コンサルタントとして、特に、上級管理職育成、経営戦略策定、組織開発などの分野で研修、コンサルティング、講演活動等で活躍を経て、世界の人々のこころの支援を多言語多文化で行うグローバルスタートアップとして事業展開を目指す決意をする。

【背景】
2005年11月、 約10年連れ添った最愛の妻をがんで5年間の闘病の後亡くす。
翌年、伴侶との死別自助グループ「Good Grief Network」を共同設立。個別・グループ・グリーフカウンセリングを行う。映像を使用した自助カウンセリングを取り入れる。大きな成果を残し、それぞれの死別体験者は、新たな人生を歩み出す。
長年実践研究を妻とともにしてきた「いきるとは?」「人間学」「メンタルレジリエンス」「メンタルヘルス」「グリーフケア」をさらに学際的に実践研究を推し進め、多数の素晴らしい成果が生まれてきた。私自身がグローバルビジネスの世界で様々な体験をする中で思いを強くした社会課題解決の人生を賭ける決意をする。

株式会社レジクスレイ(Resixley Incorporated)を設立、創業者兼CEO
事業成長アクセラレーター
広島県公立大学法人叡啓大学キャリアメンター

【専門領域】
・レジリエンス(精神的回復力) ・グリーフケア ・異文化理解 ・グローバル人財育成 
・東洋哲学・思想(人間学、経営哲学、経営戦略) ・組織文化・風土改革  ・人材・組織開発、キャリア開発
・イノベーション・グローバル・エコシステム形成支援

【主な論文/プレス発表】
「仕事と脳力開発-挫折また挫折そして希望へ-」(城野経済研究所)
「英語教育と脳力開発-受験直前一ヶ月前の戦略・戦術」(城野経済研究所)
「国際派就職ガイド」(三修社)
「セミナーニュース(私立幼稚園を支援する)」(日本経営教育研究所)

【主な研修実績】
・グローバルビジネスコミュニケーションスキルアップ ・リーダーシップ ・コーチング
・ファシリテーション ・ディベート ・プレゼンテーション ・問題解決
・グローバルキャリアモデル構築と実践 ・キャリア・デザインセミナー
・創造性開発 ・情報収集分析 ・プロジェクトマネジメント研修他
※上記、いずれもファシリテーション型ワークショップを基本に実施

【主なコンサルティング実績】
年次経営計画の作成。コスト削減計画作成・実施。適正在庫水準のコントロール・指導を遂行。人事総務部門では、インセンティブプログラムの開発・実施、人事評価システムの考案。リストラクチャリングの実施。サプライチェーン部門では、そのプロセス及びコスト構造の改善。ERPの導入に際しては、プロジェクトリーダーを務め、導入期限内にその導入。組織全般の企業風土・文化の改革を行う。

【主な講演実績】
産業構造変革時代に求められる人材
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