グローバル社会を生きる~古教心を照らす、心古教を照らす~論語004

皆さんこんにちは!

 当シリーズは、グローバル社会にどう生きるかを、歴史の重みに耐えて今なおその普遍性を有する古典を紐解くことにより得ていく。

古典は、洋の東西あるがが、まずは「論語」をシリーズとして取り上げ、今日は、その第4回。

論語爲政第二の十五に、次の章句がある。

この箇所の素読音声は、下記再生してお聴き下さい。

意味は、先生(孔子)は、いわれた、「学んでも考えることをしなければ、ものごとははっきりしない。考えても学ぶことをしないで思考を只巡らせるだけでは独善的考えになってしまい危険である。」

・学んでも:「学」とは、書物を読んだり先生に聞いたり、外部からの習得を意味する。

孔子のこの教えは、現代の私たちにも大きな教えである。現代社会は、孔子の時代同様書物や人に教えを請うというほかに、インターネット、テレビなど、様々なメディアからも情報を収集し学ぶことが出来る。しかし、その情報や学んだことを自分で考えなければ、生きた情報、学びとはならない。

また、逆に、書物や人に教えを請うことや様々なメディアから学ばずに、一人で思い考えるだけでは、独善的な考えになってしまって意味がなく、危険なのである。

自分で考えると言うことは、書物や人から聞いた話しや、インターネットで吸収した知識を只そのまま鵜呑みにしていくと大変危険な場合もあると言うことである。それらの情報や知識を頭の中で、場合によっては書いて関連づけたり、組み合わせたりして単なる情報や知識として存在するものを、活かして行くことである。そのようにすることによって、知識が智恵に変わっていく。

新型コロナウイルスが蔓延している頃、SNSなどを介してトイレットペーパーに代表される日用品の在庫や予防法に関しての誤った情報の拡散が起こった。誤った情報は、正しい情報よりも早く広まると言う。

人は、衝撃的でネガティブな情報の方が記憶に残りやすい習性があるようである。仮に、信頼できる友人、知人からの話であっても、情報源が不明の場合は疑ってみること、また、自分できちんと調べ、情報を整理していくことは間違った行動をしないために大切なことである。

情報収集、分析、測定に当たっては、自分自身の「立場」の点検確認を常にしておかなければならない。同様に、情報源の立場(情報提供者の立場)、判断者の立場も考慮に入れる必要がある。

収集した情報(データ)は、点検をしなければならないが、最初にしなければならないのが、「確定的材料」と「確定的でない材料」の区別である。点検した後の整理や分析の展開は、「確定的な材料」から出発しなければならない。

歴史の重みに耐えた古典には、現代に活きる教えがある。

連載続く

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投稿者プロフィール

市村 修一
市村 修一
【略 歴】
茨城県生まれ。
明治大学政治経済学部卒業。日米欧の企業、主に外資系企業でCFO、代表取締役社長を経験し、経営全般、経営戦略策定、人事、組織開発に深く関わる。その経験を活かし、激動の時代に卓越した人財の育成、組織開発の必要性が急務と痛感し独立。「挑戦・創造・変革」をキーワードに、日本企業、外資系企業と、幅広く人財・組織開発コンサルタントとして、特に、上級管理職育成、経営戦略策定、組織開発などの分野で研修、コンサルティング、講演活動等で活躍を経て、世界の人々のこころの支援を多言語多文化で行うグローバルスタートアップとして事業展開を目指す決意をする。

【背景】
2005年11月、 約10年連れ添った最愛の妻をがんで5年間の闘病の後亡くす。
翌年、伴侶との死別自助グループ「Good Grief Network」を共同設立。個別・グループ・グリーフカウンセリングを行う。映像を使用した自助カウンセリングを取り入れる。大きな成果を残し、それぞれの死別体験者は、新たな人生を歩み出す。
長年実践研究を妻とともにしてきた「いきるとは?」「人間学」「メンタルレジリエンス」「メンタルヘルス」「グリーフケア」をさらに学際的に実践研究を推し進め、多数の素晴らしい成果が生まれてきた。私自身がグローバルビジネスの世界で様々な体験をする中で思いを強くした社会課題解決の人生を賭ける決意をする。

株式会社レジクスレイ(Resixley Incorporated)を設立、創業者兼CEO
事業成長アクセラレーター
広島県公立大学法人叡啓大学キャリアメンター

【専門領域】
・レジリエンス(精神的回復力) ・グリーフケア ・異文化理解 ・グローバル人財育成 
・東洋哲学・思想(人間学、経営哲学、経営戦略) ・組織文化・風土改革  ・人材・組織開発、キャリア開発
・イノベーション・グローバル・エコシステム形成支援

【主な論文/プレス発表】
「仕事と脳力開発-挫折また挫折そして希望へ-」(城野経済研究所)
「英語教育と脳力開発-受験直前一ヶ月前の戦略・戦術」(城野経済研究所)
「国際派就職ガイド」(三修社)
「セミナーニュース(私立幼稚園を支援する)」(日本経営教育研究所)

【主な研修実績】
・グローバルビジネスコミュニケーションスキルアップ ・リーダーシップ ・コーチング
・ファシリテーション ・ディベート ・プレゼンテーション ・問題解決
・グローバルキャリアモデル構築と実践 ・キャリア・デザインセミナー
・創造性開発 ・情報収集分析 ・プロジェクトマネジメント研修他
※上記、いずれもファシリテーション型ワークショップを基本に実施

【主なコンサルティング実績】
年次経営計画の作成。コスト削減計画作成・実施。適正在庫水準のコントロール・指導を遂行。人事総務部門では、インセンティブプログラムの開発・実施、人事評価システムの考案。リストラクチャリングの実施。サプライチェーン部門では、そのプロセス及びコスト構造の改善。ERPの導入に際しては、プロジェクトリーダーを務め、導入期限内にその導入。組織全般の企業風土・文化の改革を行う。

【主な講演実績】
産業構造変革時代に求められる人材
外資系企業で働くということ
外資系企業へのアプローチ
異文化理解力
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