一燈を提げて暗夜を行く

皆さんこんにちは!

今日は、「一燈を提げて暗夜を行く」について。

愛読書の1つに、佐藤一斎(さとう いっさい)の『言志四録』がある。この書は、その時その時で同じ言葉でも置かれた状況により身にしみる教訓が心を照らしてくれる。まさしく、「古教心を照らす、心古教を照らす」である。

佐藤一斎(さとう いっさい)

佐藤一斎(さとう いっさい、1772・安永元年~1859・安政6年)は、江戸時代の儒学者である。幼少の頃から読書を好み、武術にも優れていたという。13歳の頃には、その才能の頭角を現し、成人のような扱いを受けていたという。

33歳のときには、「昌平坂学問所」の塾頭に就いた。その後、70歳の時に、「昌平坂学問所」を統括する立場になった。彼の門下生は、3,000人といわれ、山田方谷、佐久間象山、渡辺崋山、横井小楠、若山勿堂、池田草庵、東沢瀉、吉村秋陽、安積艮斎、中村正直、林靏梁、大橋訥菴、河田藻海、竹村梅斎、河田迪斎、山室汲古、北條悔堂など、いずれも幕末に活躍した人材を輩出している。

言志四録

佐藤一斎が42歳から82歳にかけてまとめ上げたのが、『言志四録』である。『言志録』、『言志後録』、『言志晩録』、『言志耋(てつ)録』の4篇から成り収録されている語は1133条ある。

人生において、学ぶことや生きることの大切さが語られている。西郷隆盛や幕末の志士達に大きな影響を与えた。そこで語られている内容は、現代にも通ずる貴重な教訓、教えでもある。現代においても多くの人達やリーダーのためのバイブルと呼ばれ、生きる指針となっている。

一燈を提げて暗夜を行く

私は、この書の中で座右の銘にしている言葉がある。

「一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂うること勿れ、只一燈を頼め。」

意味は、「暗い夜道を歩くとき、一張の提灯を提げて行くならば、如何に暗くとも心配しなくてよい(自分のおかれている厳しい状況)。ただその一つの提灯(わずかな可能性)を頼りにして進だけでよい。」である。

私の人生にも前の見えないことがあります。伴侶のがん闘病、死別、失業、転職など、不安に襲われ前が見えなくなる。そのようなときこの言葉は、私の心に一つの灯火を掲げてくれる。

また、米国企業日本法人でCFO(最高財務責任者)をしていたときに、大リストラがあり、その後、米国本社から社長への要請、引き受けましたが社内外には問題が山積みであった。まさしく前が見えなく不安だらけであった。そんなときもこの言葉は、私の心に一つの灯火を掲げてくれた。

どんな人にも、前の見えない道を歩んでいく時、不安を感じるものである。そのようなときに、心を照らす灯火があれば、暗い道も明かりで照らされている。

どのような組織のリーダーであっても、他の人よりも前に出てその組織を引っ張っていかなければならず、心の支え、向かうべき方向を照らす灯火は必要不可欠であり、リーダーとしての素質が磨かれ鍛えられるのではないだろうか。

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投稿者プロフィール

市村 修一
市村 修一
【略 歴】
茨城県生まれ。
明治大学政治経済学部卒業。日米欧の企業、主に外資系企業でCFO、代表取締役社長を経験し、経営全般、経営戦略策定、人事、組織開発に深く関わる。その経験を活かし、激動の時代に卓越した人財の育成、組織開発の必要性が急務と痛感し独立。「挑戦・創造・変革」をキーワードに、日本企業、外資系企業と、幅広く人財・組織開発コンサルタントとして、特に、上級管理職育成、経営戦略策定、組織開発などの分野で研修、コンサルティング、講演活動等で活躍を経て、世界の人々のこころの支援を多言語多文化で行うグローバルスタートアップとして事業展開を目指す決意をする。

【背景】
2005年11月、 約10年連れ添った最愛の妻をがんで5年間の闘病の後亡くす。
翌年、伴侶との死別自助グループ「Good Grief Network」を共同設立。個別・グループ・グリーフカウンセリングを行う。映像を使用した自助カウンセリングを取り入れる。大きな成果を残し、それぞれの死別体験者は、新たな人生を歩み出す。
長年実践研究を妻とともにしてきた「いきるとは?」「人間学」「メンタルレジリエンス」「メンタルヘルス」「グリーフケア」をさらに学際的に実践研究を推し進め、多数の素晴らしい成果が生まれてきた。私自身がグローバルビジネスの世界で様々な体験をする中で思いを強くした社会課題解決の人生を賭ける決意をする。

株式会社レジクスレイ(Resixley Incorporated)を設立、創業者兼CEO
事業成長アクセラレーター
広島県公立大学法人叡啓大学キャリアメンター

【専門領域】
・レジリエンス(精神的回復力) ・グリーフケア ・異文化理解 ・グローバル人財育成 
・東洋哲学・思想(人間学、経営哲学、経営戦略) ・組織文化・風土改革  ・人材・組織開発、キャリア開発
・イノベーション・グローバル・エコシステム形成支援

【主な論文/プレス発表】
「仕事と脳力開発-挫折また挫折そして希望へ-」(城野経済研究所)
「英語教育と脳力開発-受験直前一ヶ月前の戦略・戦術」(城野経済研究所)
「国際派就職ガイド」(三修社)
「セミナーニュース(私立幼稚園を支援する)」(日本経営教育研究所)

【主な研修実績】
・グローバルビジネスコミュニケーションスキルアップ ・リーダーシップ ・コーチング
・ファシリテーション ・ディベート ・プレゼンテーション ・問題解決
・グローバルキャリアモデル構築と実践 ・キャリア・デザインセミナー
・創造性開発 ・情報収集分析 ・プロジェクトマネジメント研修他
※上記、いずれもファシリテーション型ワークショップを基本に実施

【主なコンサルティング実績】
年次経営計画の作成。コスト削減計画作成・実施。適正在庫水準のコントロール・指導を遂行。人事総務部門では、インセンティブプログラムの開発・実施、人事評価システムの考案。リストラクチャリングの実施。サプライチェーン部門では、そのプロセス及びコスト構造の改善。ERPの導入に際しては、プロジェクトリーダーを務め、導入期限内にその導入。組織全般の企業風土・文化の改革を行う。

【主な講演実績】
産業構造変革時代に求められる人材
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外資系企業へのアプローチ
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