年頭自警に照らす丙午2026──恐怖ではなく“設計”の年
謹んで新年のご挨拶を申し上げます
佳い一年になりますように!
毎年、元旦に心新たに目を通すのは、人生の師父・安岡正篤先生の「年頭自警」である。
本年令和8年(2026年)は、丙午(ひのえ・うま)である。干支についても「年頭自警」に続いて言及する。
一、年頭まず自ら意気を新たにすべし
二、年頭古き悔恨を棄つべし
三、年頭決然滞事を一掃すべし
四、年頭新たに一善事を発願すべし
五、年頭新たに一佳書を読み始むべし
安岡先生は、年頭に当たりなすべき五つの項目をあげている。個々に見て行きたい。
一、年頭まず自ら意気を新たにすべし
新年を迎えると誰しも気持ちを新たにして今年はいい年になって欲しい、いい年にしようと思うものである。しかし、安岡先生の言葉は、もっと深い意味を持つものと思う。それは、自ら奮起し気概を新たにしていくことを意味するものと思う。それは、人生の「志」を揺るぎないものにするものである。
二、年頭古き悔恨を棄つべし
人生には、様々な苦しみや悲しみがある。辛い過去は、なかなか断ちきれなく引きずってしまう。それは、時には根深くメンタルの病に落ちいてしまうこともある。悔恨を棄つ一つの方法は、自分の思考のクセを知ることである。嫌なことに出会うといつまでもそれに囚われてしまうという思考のクセ(感情のクセ)があるとするならば、それに気付いて、その嫌なことをプラスに転換していく。
三、年頭決然滞事を一掃すべし
日々の生活や仕事の中で、先延ばしにしていることはないだろうか。時間の管理と共に事の管理が重要である。To Do Listやタイムマネジメントを活用して滞事を年初に一掃すれば、心新たに清々しさを味わうことが出来るだろう。
四、年頭新たに一善事を発願すべし
善事は、よい事柄、道理にかなった行ないである。ささやかな善事で日々続けられるものがいいのではないかと思う。例えば、挨拶は自らする。ありがとうのことばを言う。どんなときでも笑顔を絶やさない、など。
五、年頭新たに一佳書を読み始むべし
安岡正篤先生著「憂楽志」よると、
「佳書とは、それを読むことによって、我々の呼吸・血液・体液を清くし、精神の鼓動を昻めたり、沈着(おちつ)かせたり、霊魂を神仏に近づけたりする書のことであります。」
歴史に耐えた書物は、その価値がある。
今年は、初心に返って「古事記」「日本書紀」「武士道」「心学」「四書五経」「自省録」など国内外の古典に取り組むことにする。
世の中がどんなに変化しようと、自分自身が主体的にその変化を活かしていく、そのような姿勢・行動で新たな一年を過ごしたいものである。
【丙午(令和8年)への展望──年頭自警の“次の一歩”として】
以上、安岡正篤先生の「年頭自警」に基づき、一年の“姿勢”と“器”を整える出発点を確認してきた。しかし、私たちが立つ令和8年(2026年)は、単なる新年ではなく、「丙午」という節目の意味を帯びる年でもある。
丙午とは、破壊や災厄を暗示する言葉ではない。丙(ひのえ)は、内に秘めた熱が外へ顕れる相。午(うま)は、方向の飽和と選択の強制。
つまり丙午とは、
「飽和したものが照らされ、選択が避けられない地点」
のことであり、それは破局ではなく、設計を迫る転換点である。
私は本年、この丙午という象徴を、恐怖ではなく“設計の可能性”として受け取る決意である。燃えるのではなく、照らす。追われるのではなく、火を連れて行く側に回る。
そのための具体的準備として、国家・企業・個人の各レイヤーで、「燃えやすい構造」の棚卸しを行う。この作業こそが、年頭自警で整えた“器”を、実際の行動体系へ落とし込むプロセスになるからである。
【2026年(丙午)を読むための要点】
年頭自警が姿勢の整備だとするなら、丙午の理解は視界の整備である。本年における火(=照明)は、次の領域で起こりやすいと考える。
- 国家:安全保障×経済戦略の未統合部分の露呈
- 企業:DX/AI投資の“棚上げ”が限界に達する組織
- 社会:目的喪失・承認依存・心理的摩耗の可視化
- 個人:感情処理の未消化/境界線の曖昧化の暴露
これらは悲観材料ではなく、改善では届かない領域に手をかけるための光である。
改善ではなく、再設計。対処ではなく、構造替え。勇気ではなく、構造理解。
丙午とは、理解の年、設計の年、器の年である。
【フルバージョン記事のご案内】
本稿の後半では、安岡正篤文字学から読み解く丙午の本質を、国家・企業・個人の三層構造で整理したフルバージョン記事をご用意している。
🔥フルバージョン 内容の一部
- 「火の年」を恐れないための構造理解
- 1966/1906年の丙午に見る“相似形”の法則
- 2026年の世界情勢(米中台/EU/AI覇権)を文字学から読む
- 100の棚卸し/行動設計の技法(個人〜組織)
- 「燃える前に燃やす」という逆説的自己防衛
本フルバージョン記事を通じて、火に追われる思考から、火を連れて行く思考へ、立ち位置が切り替わるはずである。
📄 ▶︎ フルバージョンはこちら
丙午の2026年──恐怖の年ではなく“設計”の年:安岡正篤文字学が示す国家・企業・個人の再構築
👉 フルバージョン記事は、こちら
【長文を読む前に──コンパクト版まとめ】
以下は、フルバージョンの内容を凝縮した要点版(導入用)である。気になる方は、続けてフルバージョン記事へお進みいただきたい。
🔥丙午は恐怖ではなく「照明」の年
- 火とは破壊ではなく、未整理領域を照らす光
- 問題は起きるのではなく見える
- 見えることは痛みを伴うが、それは改善の限界の証明
🔥丙午の核心
「飽和した構造が照らされ、選択が避けられなくなる」
🔥2026年への問い
- どこが燃えるか、ではなく
- どこに火が走れる“隙間”があるか
🔥結論
丙午=「設計の年」
逃げるより、設計する。
恐れるより、照らす。
燃えないより、燃やす場所を選ぶ。
📚参考文献一覧(読者向けセレクト)
- 安岡正篤『易と人間学』致知出版社
干支や文字学を単なる占いから解き放ち、「人間学」として位置づける入門書。 - 安岡正篤『人間の大學』致知出版社
年頭自警の精神を理解する際の「背骨」となる思想書。2026年の設計軸に。 - 中西輝政『国家の徳』PHP研究所
丙午2026を国家レベルで考察するための視座を得るのに最適。 - ホフステード『多文化世界』有斐閣
2026年以降の国家・企業が直面する「異文化摩擦」「心理的安全性」理解の基礎。 - タレブ『反脆弱性』ダイヤモンド社
「燃えない構造」→「揺らぎから強くなる構造」への転換思考のヒントに。 - ミシェル『マシュマロ・テスト』早川書房
一年の設計思想が、日々の自己制御(衝動・欲求)と直結していることを示す研究。 - Hall『文化を超えて』中央公論新社
2026年地政学と丙午の文脈の橋渡しになる、認知文化差の古典的名著。