天からの預かりもの

皆さんこんにちは！

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ（18世紀のドイツで活躍した作曲家・音楽家）の言葉を紹介します。

Music’s only purpose should be for the glory of God and the recreation of human spirit.

音楽の唯一の目的は、神の栄光のためと人々の心の癒やしである。

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ（18世紀のドイツで活躍した作曲家・音楽家)

今日は、一人の女性の生き方から人生をみていきたいと思います。

人生の師父 安岡正篤先生が著した『百朝集』という個人の詩歌、文章を100厳選して解説を加えたコンパクト本（縦15センチ×横11センチ×厚さ1センチ）があります。

2002年当時、私たち夫婦は、これを素読しながら人生の糧としていました。難しい内容の箇所もありましたが、実にどの箇所も心に響き、勇気づけられる内容でありました。

『百朝集』十七 當今の學徒の項には、亡き妻の書き込みがありました。まずは、その項の内容を簡単に紹介します。

安岡先生曰く。

「学校を出ることを卒業等と考えてはならない。むしろ、米英の大学に好い語がある。彼らは、卒業を”Commence”と謂う。世に出る始まりの意味である。人生は絶えざる学業である。

社会や宇宙はそのままに一大絵巻である。これを解すると否とが、学人と俗人との別れる所以である。

王陽明（おう ようめい）の詩に『坎（かん、穴のこと）に遇うて稍（やや）餒（う）うる莫（な）し』、

すなわち、逆境に遇っても、何とか心がふらつかないで済む、精神が飢えないで済むようになった、という一文があるが、この文章の最後の一行にこの一文を重ね合わせて、己を省みざるを得ない。」

仕事や⼈⽣には様々な出来事があります。しかし、⼈⽣の幸、不幸を決めるのは、その⼈に起きた出来事それ⾃体ではないということを先人の残した言葉や身近な人の生き方から教えられます

⼈⽣の幸、不幸を決めるのは、その⼈⾃⾝がその出来事をどのように受け止めて、その出来事から何を学び、どの様な気付きやメッセージを得て、前向きに歩んでゆくかです。

亡き妻は、この時期、前年（2001年）に婦人科系の大きな手術（左卵巣摘出）をしており、この2002年1月に子宮癌の診断を受けました。同年３月に準広汎子宮全摘、内膜症による癒着があり、手術中に尿管完全断裂あって、カテーテルを挿入、同年4月に放射線療法(1.8×25回:45Ｇｙ)という状況でした。

その放射線治療中に読んでいた『百朝集』の書き込みです。

2002年4月2日

「人生は絶えざる学業である・・・」人生において学ぶとは自問自答いくことと思う。自己を内省し自己に向き合って生きることが業になるのだろうか？

「逆境に遇ってもどうやら心がふらつかない～」・・・逆境とは何か。二度目の癌で手術。これから治療。

たしかに今がまさに逆境と言ってもいいときだと思う。逆境にあって何を思うのか。うらみか後悔か。感謝か喜びか。

暖かい愛に包まれていることに感謝。但し、天からの預かりものの身体は自分の思うようにいかない。」

亡き妻は、教えてくれました。

「魂を磨く・・・病気になって特に魂は磨かれ、光り輝いていのちのバトンタッチとして手渡された。どんなに苦しくても、悲しくても『生きる』という決断をすることの大切さ。」を。